納税者との信頼関係を築き、申告納税制度の理念を全うすること
私は今まで公務員の道、大学教員の道を歩んできて、最後は税理士の道から天国への道を歩もうとしている。孫子は道を説いているが、道は、君主と国民の信頼関係をつなぎとめるものであるという。それは理念なり大義であろう。
税理士道は、納税者との信頼関係を築き、申告納税制度の理念を全うすることであると考えられるが、税理士法第1条を思い出させる。最近、税に携わっていてつくづく考えさせられることは、税法や通達が昔に比べてやたら複雑になり難しくなったことである。大企業の先進的な制度や仕組みが影響しているのであろうが、困っている中小企業を助けることを理念とする税理士には難しい税法・通達は必要がない。会計には「中小企業の会計に関する指針」があるが、これと同じように法人税の世界にあっては、大企業と中小企業を分けることができないのであろうか。
また、消費税に複数税率が適用されることにより申告が大変になろうとしている。「簡素」という租税原則がどこに行ったのだろうか疑問である。